ルノー8ゴルディーニ -R8Gその4-
と、云う事で4回目でやっと本題です。
前回ご紹介のルノー8のホットバージョンにあたるのが「ルノー8 ゴルディーニ」です。
先代であるドフィンにもゴルディーニの名前を冠したドフィン・ゴルディーニがあり、この車がルノーとゴルディーニの契約に基づく車の第一号でした。
そのドフィン・ゴルディーニがドフィンのスポーティーバージョンとの位置付けだったのに対してR8ゴルディーニは競技車両のベースとしての活用も視野に入れていたのが大きく違うところです。
それはドフィン・ゴルディーニが当初予想もしていなかったほどラリーなどで活躍した事がきっかけでした。
前回ノーマルのR8をサニーやカローラに例えましたが、位置づけはやや異なりますが、R8 ゴルディーニはフランス人にとっての箱スカGT-Rと言えなくもないんじゃないでしょうか。 (ちょっと違いますが他にいい例えが思い浮かびませんでした。)
![]() |
![]() |
1964年に登場した最初の「ルノー8 ゴルディーニ 1100 (1134)」は外観的にはヘッドライトが一回り大型化した他はベースとなったR8マジョールと殆ど変わりがありません。
しかし、その内面は大きく変更されており、なかでも最大の違いはエンジンの魔術師といわれたゴルディーニによって魔法をかけられたエンジンです。
当初ゴルディーニはエンジンのDOHC化を希望していましたが、ルノー側の都合でそれは叶わずエンジン形式はOHVのままです。
しかし、OHVながらもヘッドを半球状に改め、ツインチョークキャブレターの採用など吸排気系を徹底的に見直した結果ノーマルの倍近い95HP/6500rpm(SAE表示)の出力を搾り出す事に成功しています。
![]() |
![]() |
|
| フォグランプが増設されたマスク。クリアー部品が黄色という事もあり、親父顔というよりも王蟲顔に見えます。 | ボディに走る2本のホワイトラインは実車では標準で2本のテープが付属しており、好みによって貼付ける様になっています。 |
ブレーキもサーボ付きに改められ、ディスクの厚みも増して出力の増強に応じた強化がされています。
ステアリングもロックtoロックで3.75回転だったものが3.25回転にまでクイック化されています。
足回りは車高が3cm落とされ、リアアクスルにダンパーが追加されていますが、それ程固めたセッティングではなく、日常ユースにも十分対応できる性格を与えられています。
また、前後の重量配分を少しでも是正する為でしょうか、標準版が後ろにしか燃料タンクが無いのに大して、R8GではFF車ならラジエータのある車体先端部にも燃料タンクを装備し、コクピット内のコックで前後を切り替える事ができます。
結果、車重は725kgから795kgに増えましたが大幅に性能アップしたエンジン性能に助けられ最高速は「170km/h」まで伸びています。
![]() |
![]() |
|
| 左がixoのモデルのホイール、おそらくレーシングモデル風にカスタマイズされた車体を参考にしてしまったものと思われます。 右がソリドのホイール。形状的にはコチラの方が近いですが、オールメッキはやり過ぎです。 |
||
その2年後1966年に登場したのが「ルノー8ゴルディーニ 1300 (1135)」です。
外観上の大きな違いはヘッドライドにプラスして2基の大型フォグランプ標準で装備されている点です。
排気量の拡大のほか、ギアボックも4速から5速に改められています。
エンジンを1108ccから1250ccに拡大したのは、当時国際ラリーなどで同クラスとなるミニ・クーパーSへの対抗上でした。
![]() |
![]() |
|
| スペアタイヤはご覧の通りフロントのオーバーハング部分に搭載されています。 一見するとフランス車にしては取り出しにくい位置にあると思いますが、実はナンバプレートの辺りがマリオネットの口のようにパッかと前に開き取り出せます。 |
||
その結果、車重「698kg」、最高出力「77HP/6000rpm」、最大トルク「11.0mkg/3000rpm」のミニ1275Sに対して、R8Gは車重「855kg」、最大出力「88HP/6750rpm」、最大トルク「10.7mkg/5000rpm」となっています。
その結果メーカー公表値でミニの0-400m「18.2秒」最高速度「157km/h」に対して、0-400m「16.9秒」最高速度「175km/h」とそれを上回る性能をR8Gは獲得しています。
FFとRR、車格を目いっぱい小さくしたミニと余裕有るサイズのR8G、同時代の傑作大衆車同士ですが島国のイギリスと大陸のフランスそれぞれの事情と国民性が見事に反映され対照的な二台となっています。
この尽く対照的な2台が同じステージで競い合ったのは非常に面白いシーンでしたでしょうね。
なお、R8Gは1970年に後継の「ルノー12 ゴルディーニ」にバトンタッチされるまでにR8G1100が「2626台」、R8G1300が「8981台」が生産されました。
さて、いよいよ次回はR8ゴルディーニ編の最終回、R8Gと当時のフランスコンペティションシーンについてです。












これ~一冊の本に、成りますよね・・・!!
「ネコさんお願いしま~す・・・・!!!」
なったら、ちゃんと取材して記事書いている人に失礼です。~(°°;))``・・・
まぁ、それでも手元の資料をまとめる時にその車の自動車史上の位置づけが多少なりとも伝わればいいなぁとか思いつつ書いてはいますが。